守屋淳『最高の戦略教科書 孫子』

 とある株式投機(トレード)ブログの執筆者が推薦していたトレード関連本の1冊。より正確には、トレードにも応用できる1冊と言った感じ。400ページ弱というボリュームの割には、意外とあっさり読めた。2014年刊行。

〈Ⅰ部『孫子』はそもそも何を問題とし、何を解決しようとしたのか〉〈Ⅱ部『孫子』の教えをいかに活用するか〉の2部構成。つまり本書の狙いは、『孫子』の内容について知ることに止まらず、それを読者それぞれが抱える「自分の問題」の解決に応用すること。

 だから、『孫子』が前提としていた状況についての解説があるし、折に触れて「抽象化」という言葉が出てくる。『孫子』は飽くまでも戦争のための兵法書だけど、スポーツやビジネスそして人生にまで適用することができる。

 ただし、そういう応用例は本書にたくさん出てくるが、結局、それらはすべて他人事でしかなく、そのまま「自分の問題」の解決に流用することはできない。本書に「自分の問題」を解決する答えそのものは出てこなくても、糸口は見出せる…と思う。

守屋淳『最高の戦略教科書 孫子』
スポンサーサイト



テーマ:最近読んだ本 - ジャンル:本・雑誌

エミン・ユルマズ『一生使える投資脳のつくり方』

 著者のことはツイッターでフォローしていて、ツイートの内容にはいつも唸らされてばかり。その彼が初心者向けの投資本を出したとのことで、簿記3級の試験を受けに行ったついでに、駅近くの大型書店で購入して、帰りの列車に揺られながら読み終えた。

 本書の要旨は「はじめに」の中に書かれているこの一文。〈簡単にいえば、ストーリー投資とは、とことん自分の頭で考え、未来を予測するストーリーという “ものさし” を手に、売買のタイミングを判断することです。〉たったこれだけのことである。

 ちなみに、本編はそのストーリー投資の具体例として、架空の投資家を主人公にしたお話が載っている。主人公は、自分の買った銘柄の株価に影響を与えるような出来事が起きるたびに、AorBの2択クイズ形式で「さあどうする?」という判断を迫られる。
 実は、本編のお話に目新しい内容は出てこない。大事なのは、個々の出来事それ自体にあるのではなく、それらに対して自分で判断して行動するということ。自分の大事な財産を運用するのに他人の判断を仰ぐような人は、簡単に投資詐欺などの餌食になる。

 そういえば、投資本で取り上げられるテーマの中心は、買う銘柄の見つけ方と買うタイミングの取り方ばかりな気がする。それは、そういう情報を欲しがっている人(=それさえ分かれば投資で稼ぐことができる!と勘違いしている人)が多いからだろう。
 少し冷静になって考えてみれば、投資では「買う・保有する・売る」という一連の判断と行動を通して利益(あるいは損失)が確定するはずなのに、買う段階で「10倍株が見つかる!」などと謳う投資本が巷に溢れていること自体がおかしな話なのである。

 自分で考えて、自分で判断して、自分で行動する。ちゃんと分かっている人にとっては当たり前のこと。そういう意味で、『一生使える投資脳のつくり方』というタイトルは、たしかに間違ってはいないけれど、少し大袈裟かなとも思った。

エミン・ユルマズ『一生使える投資脳のつくり方』

テーマ:最近読んだ本 - ジャンル:本・雑誌

【雑文】資格試験:簿記3級

 決算書を読むのに役立つかもしれないという理由で勉強することにした簿記3級。参考書を一通り読んでみてぼんやりと理解できたのは、どうやら簿記とは日々の取引を分類・整理・まとめて決算書を作る技能らしいということ。

 あえて言ってしまえば決算書を読めなくても作ることはできるわけで、自分の想像していたものとは違っていたのだけど、すでに参考書と問題集は揃えてしまっていたため、資格を取るまでは続けることにして、先日、無事合格。

 勉強方法は省略するとして、私が気になったのは参考書のAmazonレビュー欄に散見されるこんな感想。前半の説明は丁寧で分かり易いのに、後半は説明が雑な感じで分かり難く、YouTubeの解説動画を見てようやく理解できた。

 私自身、参考書と問題集を一通りやってみただけでは分かったような分からないようなモヤモヤが残っていたことは事実だし、とある簿記系YouTuberの解説動画を一通り見たことでそのモヤモヤがかなり解消されたことも事実。

 ただ、それならば参考書と解説動画で内容が違うのかと言うと、全然そんなことはなくて、解説動画でようやく理解できたと思っていても、実際にはちゃんと参考書にも書かれていて、自分が見落としていただけだったりする。

 両者の決定的な違いって何だろう?と考えてみてパッと思い付くことといえば、勉強する側の姿勢だろうか。つまり、疑問点を解消する場合、解説動画だと受動的な姿勢でもいいけど、参考書だと能動的な姿勢が必要になる。

テーマ:雑記 - ジャンル:本・雑誌

【雑文】資格試験:外務員一種・二種

 最近受けた資格試験の話。

 8月が外務員二種、9月が同一種。金融商品取扱業に必要な資格だけど、そういった仕事に就くつもりはなく、資格を取ったのは知識を得た “ついで” 。新しく何かを始める時、「分からないけどとりあえずやってみる」思い切りの良さも大事だけど、それでもやはり最低限の知識は必要。

 勉強方法は、まず初めに参考書を通読してから、問題集をチェックボックス3回分が全て埋まるまで繰り返し、最後に予想模試3〜4回分を全てすんなり解けるようになるまで繰り返す。
 参考書を読む時は、細かい事は気にしないで、最後まで読み切ることを優先させること。問題集を解く時は、分からないと思ったらすぐに解答を見て、必要ならば参考書で確認すること。

 実際の試験会場にはPCがズラーっと並んでいて、画面の「開始」ボタンをクリックして試験開始。制限時間内でも「終了」ボタンをクリックすれば試験終了&退室することができる。
 一応、メモ用紙と筆記用具は配られているけど、計算問題を解く時はPCの電卓機能が使えるから、試験中はカチカチカチカチというクリック音だけが静かに響いているというね…。
 いわゆる “試験” というものについては、問題と答案用紙が配られてから「はい、始めて!」の声で一斉に開始というイメージを持っていたから、なんとも不思議な感覚を味わった。


テーマ:最近読んだ本 - ジャンル:本・雑誌

益田ミリ『47都道府県女ひとりで行ってみよう』

〈日本には47都道府県もあるのに、行ったことがない場所があるというのはもったいないなぁ。というわけで、全部行ってみることにした。33歳の終わりから37歳まで、毎月東京からフラットひとり旅。名物料理を無理して食べるまでもなく、観光スポットを制覇するでもなく。その時の自分にちょうどよいペースで、「ただ行ってみるだけ」の旅の記録。〉



 とある資格試験を受けるために、列車で片道4時間かかる会場へ向かう。その移動時間中の暇潰し用に選んだのがこの1冊。父の書棚は無駄に収容能力が高く、置き場所に困った家族の本も一緒に突っ込んであるため、こんな本が混じっていたりもする。2008年刊行の単行本。

 47都道府県それぞれについて著者のお出かけ記録が、4ページほどのエッセイと明細書&4コマ漫画で綴られている。分量的にはあっさり読み切れそうなものだけど、ゆるゆるだらだらとしたエッセイが続くため、なんとなく数ページ読んでは窓の外を眺めての繰り返し。

 帰りの列車の中で読み終えた時ようやく、タイトルに「旅」が入っていないことに気付いた。日帰りや一泊二日も多いから、「旅」よりも「お出かけ」に近い感じ。文字通り「ただ行ってみるだけ」なので、多分、エッセイがゆるゆるだらだらなのはそのせいだろう。

 しかも、47都道府県完全制覇という制約があるためか、観光ガイドブックを参考にしたりもするのだけど、著者は何か面白い展開が起きそうになると、途端にスッと逃げてしまうのである。そのため、本当に何も起きない日常の延長のようになってしまっている。うーむ…。

テーマ:最近読んだ本 - ジャンル:本・雑誌